令和2年9月13日(日)オンラインにおいて研究大会(研究発表+第149回例会)が開催されました。研究発表・例会の内容は2020年11月頃に発行される機関誌に掲載されます。
午後に行われた第149回例会は、当会の理事でもある、水﨑誠氏が「幼児の音・音楽の世界を研究する」というテーマで講義を行いました。
専門機材を使用して子どもたちの歌声の録音、分析を行っている水﨑氏の研究は、採集した音声データーを数字、グラフで表し、音を視覚的に捉えられるため、わかりやすく、現場で保育を行っている会員にも、多くの発見がありました。また、収録機器や音声分析に使用するソフトの紹介などもあり、現場と研究を近づけてくれるものでした。オンラインということで、パソコン画面での視聴だったため、細かいグラフも見やすく、学びの深い例会となりました。
今回はZoomを使用しての初のオンラインということで、参加を申し込んでくださった会員のみなさまと事務局で、事前にメールでURLのやりとりをいたしましたが、こちらから送信したメールが、迷惑メールやゴミ箱に直行してしまうというケースもありご迷惑をおかけしました。
次回もオンラインでの開催が決まっていますが、スムーズな伝達ができるよう努めてまいります。
■
例会概要
音楽は「聴く」ものですが、論文は「読む」ものです。音楽の研究者には、音楽を文字・数・図などの「読むデータ」にあらわすことが求められます。幼児が生み出す音楽を、どのような方法で「読むデータ」にすれば良いのでしょうか?
私は、「幼児の音・音楽の世界」に魅了され、15年以上にわたり研究を続けていますが、上記の「研究方法」については今も課題になっています。私は、保育現場で収集した幼児の歌声などを、文字だけではなく、音声・動画ソフトによる画像であらわしています。今回は、「研究方法」に焦点をあてて、私の研究を紹介しながら、参加者の皆さんと幼児の音・音楽の世界を「研究する」時間にしたいと考えています。
講師プロフィール
水﨑 誠 氏(東京学芸大学)
広島大学大学院教育学研究科文化教育開発専攻(音楽文化教育学分野)博士課程後期修了。博士(教育学)。北海道教育大学函館校講師、准教授を経て、現在、東京学芸大学教育学講座幼児教育学分野准教授。専門は、幼児音楽教育。現在は、『幼児の音楽的モチベーションを高める表現遊び指導法の開発』(令和2-4年度学術研究助成基金助成金・基盤研究(C)課題番号20K02849)に基づき、音楽的モチベーション(Musical motivation)を中心に研究を進めている。
著書
『最新・幼児の音楽教育-幼児教育教員・保育士養成のための音楽的表現の指導-』(共著、朝日出版社、2018)、『改訂4版 幼児の音楽教育法-美しい歌声をめざして-』(共著、ふくろう出版、2019)