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2019年11月10日(日)鈴木楽器東京支店
第146回例会

幼少期の原体験としての音楽、そして今

講師:片岡 輝 氏
令和元年11月10日(日)鈴木楽器東京支店内 コミュニケーションショップルームにて第146回例会が開催されました。詳細は機関誌に掲載されます。
早くも令和3回目の開催となりました第146回例会は、11月10日(日曜)に台風19号の甚大な被害のため、この日に延期された天皇陛下即位披露パレードと日時がピッタリ重なってしまいました。会場は警備が厳戒態勢となっている都会のど真ん中にある東京・日本橋の鈴木楽器東京支店内コミュニケーションルームを使用させていただきました。
今回の講師には当研究会の顧問であり、詩人であり作詞家、作家、そして東京家政大学名誉教授と教育者でもある片岡輝(かたおか・ひかる)先生をお招きしました。

昭和40年代から当研究会の創始者である後藤田純生先生、繁下和雄先生との交流から創設期から幼音研の顧問も務めてくださっている片岡先生は、まず12歳まで育った満州の地における音楽の原体験から話し始めてくださいました。

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竹針で音を奏でる分厚いレコード盤で聴いた『チャイコフスキーの交響楽第4番』、そして瀬戸口藤吉の『軍艦マーチ』etc。そして日本に引き揚げてからの九州・久留米での生活。
『青い山脈』には心躍ったが、妹さんを連れて公演を観に行くも心引かれなかった美空ひばりの歌声…。高校時代から東京に引っ越し、数学の授業でつまづき登校拒否となった体験、その頃にFEN(極東放送網=現AFN)で出会ったクラシック、ジャズの数々の楽曲。

後半は、ご持参していただいたCDを鑑賞し、1時間に渡る質疑応答では、グリーン・グリーン作詞の秘話や、作詞家としての思いをお聞かせいただきました。
誰もがクリエイターになれる。良い時代になったのではないか? と思いますよ。すごい才能が出てくるかも知れません。私は(年齢的に)聴くことができないでしょうが、10年後、50年後、あるいは100年後に、どんな音楽が人々を魅了しているのか? それを確かめたくて仕方ありません」(片岡先生)
と、柔和な笑顔とともに語り、講演を終了しました。

■ 講師プロフィール
片岡 輝 氏
1933(昭和8)年、満州(現・中国)の大連で生まれ、幼少期を北京で過ごす。終戦後の1946年に日本へと引き揚げ、中学時代は父の郷里(久留米)で、高校以降は東京に在住する。
東京都立戸山高、慶應義塾大学法学部卒業後に東京放送(現TBS)に入社。ラジオで人気の子ども向けクイズ番組『ちえのわクラブ』のディレクター職を経て、1963年からはフリーで執筆活動を続け、サイエンスサーカス、万博、スペースワールドなどの科学・社会教育のイベントのプロデュースに従事。2002年からは東京家政大学教授、2004年に同学長に就任し、2008年に退任後からは名誉教授に。他に、一般財団法人文民教育協会子どもの研究所理事長、社会福祉法人緑伸会理事長、NPO法人語り手の会理事長、板橋区子ども・子育て会議会長、世田谷うたの広場代表世話人などを務めている。

◇主な作詞楽曲
合唱曲 『地球に寄り添って〜センス・オブ・ワンダー〜、ひとつの朝』『決意』『予感』『ひとつの朝』ほか
子どもの歌 『グリーン・グリーン(訳詞)』『とんでったバナナ』『勇気一つを友にして』、TVアニメシリーズ『未来少年コナン』(NHK)の主題歌『いま、地球が目覚める』、エンディング曲『幸せの予感』ほか多数。