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2019年3月3日(日)鈴木楽器東京支店
第143回例会

音楽と伝承 アイルランドの子どもたちの場合
〜そして、今、音楽に何を求めるべきなのか〜

講師:守安功氏/守安雅子 氏
平成30年3月3日(日)鈴木楽器東京支店内 コミュニケーションショップルームにて第143回例会が開催されました。詳細は機関誌に掲載されます。
143回例会では、アイリッシュ音楽の第一人者として、ご夫婦で活躍している守安功氏・雅子氏を招き、演奏とお話を聴きました。

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守安氏の演奏は、アイルランド土着の音楽を、地元の農家で実践している名人からの直伝。曲の作られた時代背景や文化的背景の説明を聞きながら、笛や太鼓、コンサーティーナやハープ、スプーンズの音色に耳を傾けました。現在も毎年渡欧している守安氏から、教科書や楽譜には書かれていない、生の話や音楽はとても貴重で、改めて、人間の生活と音楽の深いつながりを感じさせてくれました。
守安氏のコンサートは、参加者と対話しながら進めていくプログラムが決められていないスタイルで、参加者ひとりひとりの話を聞きながら、場の中で作られていきます。鈴木楽器のコミュニケーションルームに置かれている楽器で参加者も演奏に参加。集まった参加者の一期一会の出会いと音楽は、素晴らしい時間となりました。
■例会概要・講師プロフィール

例会概要
私たちは、1980年代から、アイルランドにおいて、楽譜の読めない、音楽のレッスンを一度も受けたことのない、最後の世代の方たち(その多くは、農夫たちでした)から、音楽を学んできました。日本の音楽大学で学び、同時に、東京で、日本の伝統音楽も、笛と太鼓を通して学んでいた私(守安功)にとって、アイルランドでの日々は、あまりにも衝撃に満ちたものでした。そんな中で体験したこと、感じたことを、演奏もまじえて、お話させていただきます。
守安功と雅子の二人は、1990年代より、毎年、アイルランドに1年の3分の1の期間滞在し、変わりゆくこの国を見つめつつ、今は亡き名人たちを含む、アイルランドのさまざまな地方の演奏家たちから教えを受けてきました。その活動は、ドキュメンタリー番組にもまとめられ、2002年、アイルランド国営放送でも放映されました。伝統的な奏法をベースにしながら、アイルランドとスコットランドの、17世紀から19世紀の音楽の発掘と演奏や、新しく作られた名曲の紹介なども積極的に行っています。(守安 功)

講師プロフィール
守安 功(もりやす いさお) 氏
東京芸術大学音楽学部楽理科卒業,同大学院音楽研究科博士後期課程単位取得満期退学。
桐朋学園大学音楽学部古楽器科卒、同研究科修了。 アイルランドと英国の伝統音楽の演奏と、独自の視点からの、日本各地でのバロック音楽についてのレクチャー、レッスン、演奏活動に専念している。アイルランドの音楽、ダンス、文化、歴史についての著訳書8冊。 守安 雅子(もりやす まさこ) 氏
アイルランドで出会った音楽家たちの演奏に魅了され、アイルランドの伝統音楽の演奏を始める。