(写真左より山崎信政氏、花輪充氏、細田淳子氏) 研究発表は ・山崎信政氏(国立音楽大学附属幼稚園) 幼稚園における劇的な表現活動に関する研究大正期・昭和初期を中心に ・花輪充氏(東京家政大学) 演技する人形(形象)の発見とは 「アニメイム」をめぐって ・細田淳子氏(東京家政大学) 幼児の音楽表現 以上の4つの研究が発表されました。 *都合により予定されていた湯浅とんぼ氏による発表は中止となりました。
129回例会では、乳幼児教育の第一人者である志村洋子先生(前埼玉大学教授)をお招きし、「あかちゃんが音楽が好きなわけ ー音・ことば、そして音楽ー」というテーマで、講義をしていただきました。 講義では、胎児から始まるあかちゃんの音の知覚、発声のメカニズム、ことばと音楽、マザリーズ等を、様々な実験データを基に分析し、わかりやすく説明。出産時の産声や、胎内であかちゃんが聴いている音等、貴重な音源も聴かせていただきました。 最後は、保育室の音環境についても言及。建築上の問題点を含め、子ども達が騒音に惑わされず活動に集中できるような環境作りに関して話され、講義が終了しました。 志村先生のナチュラルでユーモアあふれる語り口は、参加者全員を引きつけ、楽しい二時間半の座学となりました。
志村洋子氏 「喃語期の赤ちゃんでも、お母さんが『ぞーぉさん ぞーぉさん♪』と歌いかけますと、しだいに口を動かしはじめます。お誕生を過ぎるころには、とても小さな声ですが『ドーォータン』とか『ウォータァン』などとききとれる柔らかな声を出すようになります。乳児期の音韻知覚に関する実験研究では、ことばの『子音』の違いについては生後半年から1歳までの間にほぼ母語の体系内での知覚が可能になること、そのほか母音の長短や促音などの語音の特性では赤ちゃん自らが『適合化』していく時期は生後1年であると報告されています。こうした姿は、赤ちゃんが接するさまざまな『音楽』から、音楽的発達の基盤となる手がかりを聴き取っていることも示しています。赤ちゃんがどうして音楽が好きなのかを、言語発達と共に考えます。」 志村洋子 氏 プロフィール 東東京芸術大学音楽学部卒業、東京芸術大学大学院音楽研究科修士課程修了後、埼玉大学教育学部、講師、助教授を経て教授。博士(教育学)。 現在、同志社大学赤ちゃん学研究センター 研究員、日本女子大学大学院、東洋英和女学院大学大学院 非常勤講師。日本赤ちゃん学会常任理事・日本子ども学会理事。 専門は乳幼児音楽教育学。声楽。 著書 「赤ちゃん学を学ぶ人のために」(共著・世界思想社) 「乳児保育の基本」(フレーベル館)など。