2025年度研究大会(研究発表+第169回例会)が、開催されました。
鈴木楽器東京支店コミュニケーションショップルームにてハイフレックス型(対面・オンライン)で 行われ、 研究発表は、荒木裕子氏、大里修二氏、髙井翔海氏と小畠エマ氏(共同研究)、小山朝子氏の会員による4つの研究が発表されました。
午後からの講演は、東京家政大学名誉教授で本幼児音楽研究会会長でもある 細田淳子先生から「カール・オルフの教育理念に基づく幼児の音楽表現」というテーマでご講義いただきました。
先生は長年のご研究を振返り、様々な研究のすべてが、カール・オルフの理念に結びつくということに気付かれたそうです。 その理念とは、基礎的(エレメンタ-ル)なことから始め、自然に音楽を楽しみ、演奏したり即興したり、歌ったりするように導くという考え方で、 ご講義では実践例を交えながらお話しを頂きました。最後に参加者全員が身近な小物楽器を持ち体験する場面を作ってくださり、とてもわかりやすく有意義な時間となりました。
研究大会・例会の詳しい内容は、機関誌(2025年秋号)に掲載されます。
音楽表現の分野において長年研究を続けてきましたが、そのテーマは幼児の歌、幼児の発声、乳児のうたい始め、 幼児音楽教育の我が国への導入の歴史、楽器遊び、手作り楽器等々、その時々に興味のあることを取りあげてきました。 今になって、35 年ほどの研究を振り返ってみますと、一見バラバラに見えるそれらのテーマが、実は全て一つの理念で結ばれていることに気づきました。 その理念とは、ドイツの作曲家で音楽教育家でもあるカール・オルフ(1895-1982)の提唱したものです。それは基礎的(エレメンタール)なことから始め、 自然に音楽を楽しみ、演奏したり即興したり、歌ったりするように導く考え方です。幼稚園教育要領などとも親和性が高いと感じます。 今回は、幼稚園での実践例を交えながらお話ししたいと思います。
武蔵野音楽大学声楽科卒業。
オルフ研究所(オーストリア・ザルツブルグ)に留学。 その留学中に、ダルクローズ研究所(スイス)に短期留学し、 またコダーイ国際講習会にはオルフ研究所の学友らと共に度々参加。 オルフ・ダルクローズ・コダーイの 3 つの教育を体験して帰国した。 現在:東京家政大学名誉教授。博士(学術)。幼児音楽研究会会長。日本オルフ音楽教育研究会顧問。他。
著書:『自然をうたおう』『わくわく音遊びでかんたん発表会』『わらべうた手合わせ遊び子守うた』共に鈴木出版。 『あそびうた大全集200』永岡書店 /『音あそびから始まるうた・合奏』監修ひかりのくに / 共著では『オルフ・シュールヴェルクの研究と実践』朝日出版 / 『かんたんメソッドコードで弾き歌い』カワイ出版 他